今回は、「フリーランス医師って何?常勤医より高収入なの?」という疑問にお答えします。
最近、特定の会社に勤めずに自由に仕事を選ぶ「フリーランス」が市民権を得てきましたが、医師の世界でも「フリーランス医師」の認知度が高まってきました。
これは、あの大ヒットしたドラマ「ドクターX」が影響していると考えられます。
医局や病院にしばられず、自由に仕事を選んで稼ぐ医師・・・それが、「フリーランス医師」です。
以前は、医師は開業医または勤務医の二つに分類されていましたが、現在ではこれにフリーランス医師が加わったといえます。
フリーランス医師は今後ますます増加することが予想され、新しい医師の働き方として注目されています。
そこで今回は、フリーランス医師とはどんな職業で、年収はいくらか?
そして、実際にフリーランスとして働くメリットとデメリットについて解説します。
この記事のまとめ
- フリーランス医師とは、非常勤やアルバイトだけで収入を得ている医師のことです。
- フリーランス医師の年収は、働き方(専門性や仕事の量)にもよるが、おそらく年収2,000万円程度が相場だと考えられる。
- フリーランス医師のメリットは、就業時間が安定、地域にこだわらずに働ける、専門性や働き方次第では高収入、雑用や時間外の拘束がない、付き合いや人間関係のしがらみがない(もしくは少ない)といったことです。
- フリーランス医師のデメリットは、雇用契約、収入が不安定、役職がつかない(昇進がない)、社会保障(社会保険、厚生年金)がない、退職金がない、有給休暇などの福利厚生がない、専門医の取得、維持が難しい、金融機関からの信用が得られにくい、といったことです。
以上です。では、くわしく解説します!
フリーランス医師とは?
フリーランス医師とは、特定の病院(職場)に所属せず、いくつかの病院(職場)の非常勤を兼任、あるいは、臨時の仕事(いわゆるスポットアルバイト)だけで収入を得ている医師のことです。
フリーランス外科医といえば、あのドクターX 大門未知子が有名ですね!
「フリーランス女医はみた 医師の稼ぎ方」の著者である筒井冨美先生によると、フリーランス医師は以下の2種類に分けられるそうです。
・「医師免許があれば誰でもできる」仕事をあつかうフリーター医師
医師であれば誰でもできる仕事で稼ぐタイプの医師です。
寝当直と呼ばれる忙しくない当直(1回3~5万円)、予防接種・健康診断(半日3~5万円、1日5~8万円)などが中心となります。
・「専門医としてのスキルを売る」フリーランス医師
高度なスキルを市場価値で病院に売るタイプの医師で、仕事内容は内視鏡、体外受精、出張麻酔など、他科の医師が手をだせない専門性があります。「ドクターX」の大門未知子もこれにあたります。
専門性の高いアルバイトではさらに高額になり、1日20万円以上の収入も可能とのことです。
さらに、フリーランスは「本フリー」と「裏フリー」にも大別できるそうです。
「本フリー」とは特定の勤務先を持たず、「フリーランス」を名乗って仕事をするタイプのことで、「裏フリー」とは、大学病院などメインの勤務先に籍を置いたまま、アルバイトで稼ぐタイプだそうです。
いずれにしても、フリーランス医師は、麻酔科や産婦人科などを中心に徐々に増加しているといわれています。
フリーランス医師の収入
気になるフリーランス医師の収入はどのくらいなのでしょうか?
正確なデータはありませんが、勤務医よりも「フリーランス医師のほうが収入が多い」といわれています。
ただ、フリーランス医師の収入は、どれだけ働くかによって大きく違ってきます。
医師のアルバイト単価は、(前述のように)日給5~8万円(より専門性の高いアルバイトでは、さらに高額)が相場ですので、単純に計算しても、1ヶ月の実働日数が20日として、 5万円~8万円 X 20(日)X 12(月)= 年収1,200万円~1,920万円となります。
これに当直を加えると、さらに収入がアップします。
おそらく年収2,000万円あたりが相場ではないかと思われます。
勤務医の平均年収が1,500万円といわれているので、やはりフリーランス医師のほうが(やる気になれば)稼げるということになります。
フリーランス医師のメリットとデメリット
では、常勤医とフリーランス医、どちらがいいのでしょうか?
フリーランス医師になるメリットとデメリットを上げてみます。
メリット
まずは、メリットから。
デメリット
一方で、常勤医と比べた場合のフリーランス医師のデメリットは以下です。
このように、フリーランス医師にはデメリットもあります。
フリーランス医師になることを考える場合、メリットとデメリットを慎重に考えて選びたいですね。
まとめ
「フリーランス医師」とは、特定の病院に所属せず、いくつかの病院(あるいは健康診断などのアルバイト)を掛け持ちして収入を得ている医師のことです。
就業時間のコントロールがしやすく、専門性や仕事次第では高収入が期待できる反面、さまざまなデメリットもあります。
いずれにしても、今後、フリーランス医師が増えることが予想されます。
ドクターP
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