昨今の医学部人気は高まるばかりです。
この理由はなんでしょうか?
「医師は高収入。医学部に入っておけば、食いっぱぐれしないから将来は安泰!」
「コードブルーの救命救急医や、ドクターXみたいなフリーランス女医に憧れる!」
しかし、医師はホントに高収入なのでしょうか?
将来、安泰な職業なのでしょうか?
山Pみたいなカッコイイ医者がいるのでしょうか?
医師になるデメリットはないのでしょうか?
アラフィフ勤務医の私が、25年間の経験をもとに、本当のところを教えます(上から目線でスミマセン)。
ここだけのぶっちゃけ話も書きます。
医学部の受験を考えている学生さん必見です。
この記事の内容
- 医師になるメリット:高収入、親孝行ができる、モテる、服装が自由などがあります。
- 医師になるデメリット:仕事がきつい、訴訟と隣り合わせ、世間知らずになる、などがあります。
医師になるメリット
まずはメリットから・・・
医師は高収入
他の職業に比べたら、医師は高収入であるといえます。
「正社員職種別年収ランキング2018(ビズリーチ調べ)」によると、堂々の1位は「医師」で、年収の中央値は1400万円(最大年収4800万円!)だったとのことです。
正社員職種別年収ランキング2018(ビズリーチ調べ)より
ただ、医師のなかでも収入格差があります。
まず、病院に勤める勤務医と、自分の病院ではたらく開業医では大きく違います。
厚生労働省による医療経済実態調査によると、
勤務医の年収が約1,500万円、
開業医の年収が約2,500万円と、およそ1000万円もの差があります。
また、勤務医の給料も、勤める病院(大学病院、市中病院、個人病院など)によって違います。
わたしは勤務医ですが、大学病院の年収が1000万円弱だったため、給料の高い一般病院に転職しました。
さらに、診療科によっても収入が異なります。
ある調査によると、美容外科、美容皮膚科、産婦人科、心臓血管外科、整形外科などが収入が高いとのことです。
とくに美容医師(美容外科、美容皮膚科)の場合、年収3000~5000万円稼ぐことも可能です。
とにかく、差はあるものの、全体でみれば「医師は高収入」です。
医師は失業する可能性が低い
医師は、この世から病気が無くならない限り、まず失業することはない職業です(仕事を選ばなければの話ですが)。
もちろん将来的には、人工知能(AI)が他の仕事と同じように、医師の仕事を奪う可能性はあります。
たとえば、画像検査の診断などの仕事は、AIにとって代わられるかも知れません。
しかし、人間の手を使って行う治療や、患者とのコミュニケーションは、完全にAIにとって変わられることはないでしょう。
また、医師は不況に強いといわれています。
患者さんの数は、景気に左右されません。
もちろん病院が赤字で経営破綻することはあります。
でも、たとえ勤めている病院がつぶれても、他の病院に雇ってもらえます。
職安に並ぶことはないでしょう。
さらに、医師にも定年の制度はありますが、病院長や名誉院長、顧問、相談役などの役職で仕事を続けることができます。
105歳で亡くなった日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長)のように、元気であれば死ぬまで医師として働けます。
まとめると、医師は「長く働くことができて、食いっぱぐれの可能性が低い職業」といえます。
医師は家族孝行(とくに親孝行)できる
あなたが医師になると、親孝行、家族孝行、親戚孝行できます。
まず、家族や親戚は、まわりの人にあなたを自慢します(笑)。
やはり家族や親戚に医師が一人でもいると、家族(親戚)全体のステータスが高くなったように感じるようです。
とくに親は、ことあるごとに「息子が医師で・・」と自慢したがります。
こちらが恥ずかしいくらいです。
昔はスゴくいやだったのですが、今では「親孝行になった」と考えています。
また、家族が病気になったときには、あなたが頼りにされます(ぜんぜん専門でない分野だとしても)。
医師は親孝行、家族孝行できる職業です。
医師は(一般的に)もてる
ぶっちゃけ、医師はもてます(男性医師の場合の話です。女性医師についてはよくわかりません)。
独身のうちは、たとえ容姿がいけてなくても、看護師や、まわりの女性にチヤホヤされます。
結婚相手として「医師」は根強い人気があり、婚活においては売り手市場です。
医師限定の婚活パーティーなどもよく開催されています(残念ながら私は行ったことがありませんが・・)。
また、結婚してからも、看護師と不倫している医師が多いのも事実です。
私も(くわしくは語れませんが)結婚してからもモテた経験はあります。
誘惑を断ち切ることは、並大抵の努力ではできません。
まあこの辺にしておきましょう(笑)。
医師は服装がある程度自由
どーでもいいかもしれませんが、医師は仕事中の服装がけっこう自由です(病院によっては厳しいところもあります)。
サラリーマンのように、背広を着ることはありません。
多くの医師は、私服+白衣、
または、スクラブ+白衣を着ています。
スクラブとは、手術の時に着るような半袖のシャツです↓
このスクラブに白衣を羽織ることが多いですね。
そう、こんな感じです↓
また、足下も結構ラフで、病院内をスリッパで歩いている医師もいます。
もちろん、きちっとシャツを着て、ネクタイを締めて、その上に白衣を着ている医師もいますが、ほとんどが部長クラスか大学病院の講師以上です。
わたしは暑がりなので、ほとんど一年中スクラブだけで生活しております。
以上が医師になることのメリットでした。
医師になるデメリット
次に、デメリットについて
医師は仕事がきつい
医師は長時間労働で、きつい仕事です。
とくに若いうちは過労死レベルの忙しさで、慢性の寝不足に悩まされます。
サービス残業や急な呼び出しも当然のようにあります。
カンファレンス、学会、研究会など、通常の勤務時間以外の時間も容赦なくうばわれます。
このため家族とすごす時間が少なくなり、離婚や家庭崩壊を経験する医師も多いようです。
訴訟と隣り合わせ
医師の仕事は訴訟と隣り合わせです。
医師がどんなに一生懸命に患者さんの治療に尽くしたとしても、治療がうまくいかなかったり、患者さんが死亡すると、患者さんや家族は「医療ミス」があったと病院や医師を訴ることがあります。
ですので、ほとんどの医師は医師賠償責任保険に加入しています。
出費が多い(お金が貯まらない)
医師は出費が多いです。
たとえば、
医学書代、学会関係(年会費、学会参加費、交通費、宿泊費)、交際費など、他の職種の人に比べてお金がかかります。
このため、お金が貯まらない医師が多いことも事実です。
私のように、アラフィフにもなって貯金ゼロの医師がいるくらいです。
世間知らずになる
大体、医師は「お医者様」とあがめられ、チヤホヤされて育ちます。
また医師の世界は狭く、他の医師や限られた職種の人としか関わりません。
このため、世間知らずというか、常識のない「変な医者」になる危険があります(注:一部の医師の話で、全員ではありません)。
以上が医師になることのデメリットでした。
まとめ
医師になるメリットには、高収入、親孝行ができる、モテる、服装が自由などがあります。
一方、デメリットとしては、仕事がきつい、訴訟と隣り合わせ、世間知らずになる、などがあります。
でも、医師になってよかったと思っています。
ドクターP
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