今回は、「医師は高収入なのに、なぜお金が貯まらないのか?」という疑問に答えます。
医師が資産形成するためには、収入(年収)をあげることが最も重要なステップですが、同時に節約することも同じくらい重要です。
どんなに稼いでも、どんどん使っていたらお金も貯まりません!
私の場合も、転職+新規アルバイトによって年収アップは達成できたのですが、なかなかお金が手元に残らないというジレンマを経験しています。
その原因は、「医師は他の職種とちがって出費が多い」ことだと考えられます。
私と同じように「お金が貯まらない・・・」とお嘆きの医師は、ぜひ参考にしていただき、資産形成に役立ててください。
医師(勤務医)の平均年収は?
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2015年)」によると、全医師の平均年収は1,098万円(平均40歳)とのことです。
ただし、これにアルバイト(ネーベン)の収入が加わると考えられます。
一方、日経メディカルオンラインの調査(2013年)では、勤務医の平均年収は1477万円(平均年齢46歳)とのことです。
およそ1500万円ですね!(ちなみに、このうち12%(180万円)がアルバイト収入だそうです)
もちろん平均ですから、年収1000万円や3000万円の勤務医もいるわけです。
ただ、いずれにせよ、他の職種の人からすれば贅沢すぎるくらいもらっていることになります。
しかし、こんなにもらっていても、お金が貯まらないのです。
どうしてでしょうか?
その理由を考えてみました。
医師は浪費家?
まず、「医師には浪費家が多い」という噂(?)があります。
医師は収入が多い分、使う金額も多く、派手な生活を送っているという印象があります。
また、医師には見栄っ張りが多く、見た目(服装)や車などに必要以上にお金をかけるという意見もあります。
実際に、エムスリー・ドットコムの医師を対象とした意識調査によると、
「自身が浪費家であるか」という質問に対して、「たまに浪費する」または「かなり浪費家だ」とした回答者の割合は、合計で約3分の1(32.8%)だったとのことです。
Q: ご自身は“浪費家”だと思いますか。
エムスリードットコムより
わたし自身、若い頃は何も考えずにお金を浪費していましたね。
ただ、アラフィフになって貯金ゼロを経験し、「このままではヤバい」と思い、とりあえず全ての出費を見直してみました。
そこでわかったことは、「医師特有の出費が多い」ということでした。
医師特有の出費と節約のポイントは?
では、医師特有の出費とはどういうものでしょうか?
また、節約できるのでしょうか?
以下に解説していきます。
1.学会関連(年会費+専門医維持費+学会参加費)
一般的に、医師は複数の学会に所属しています。
たとえば、外科医である私の場合、外科関連の学会だけでも
・日本外科学会
・日本消化器外科学会
・日本臨床外科学会
・日本肝胆膵外科学会
・日本内視鏡外科学会
などに所属しています(ごく一部です)。
学会の年会費が1万円~1万5000円ですので、年間で10万円以上は払っていることになります。
なかには30以上の学会に所属している医師もいますので、年会費だけで30万円以上の出費になります。
また、学会の専門医(あるいは指導医)を取得している場合、その維持費がかかります(5年ごとに2-3万円が相場?)。
さらに、それぞれの学会の総会(通常年1回)に参加する場合、交通費+宿泊費+学会参加費が必要となります。
学会は、東京や横浜、大阪で開催されることが多いのですが、仙台や福岡、その他の地方都市で開催されることもあります。
だいたい交通費+宿泊代で5万円ほどかかります。
例えば年に5回学会に参加する場合、25万円となります。
また、学会参加費が1万円~1万5000円ですので、トータル30万円くらいになります。
もちろん病院によっては、半額あるいは(発表する場合は)全額支給してくれることもありますが、通常、年間2回までといった回数の制限があります。
整理しますと、年会費+交通費+宿泊費+学会参加費で年間40~50万円以上の出費となります。
メモ
節約のポイント:むやみに学会に入会しない。また、不必要な学会は退会しましょう!
2.医学書代
医学書(教科書、専門書)は非常に高価です。
1万円以上する本もざらです。
また医学は年々進歩しているため、新しい医学書を買わないと最新の情報についていけなくなります。
たとえば、病気の診断・治療指針となるガイドラインは、数年おきに改訂されますので、常に新しいバージョンを買いそろえる必要があります。
メモ
節約のポイント:医学書はできるだけ安く買う。
こちらの記事では医学書を安く買う方法を紹介しています。
3.医師賠償責任保険料
近年、医療における訴訟件数は増加の一途をたどっており、医師が患者に訴えられるケースは珍しいことではなくなってきています。
医師が業務上の過誤によって損害賠償責任を負ったときに、補償する保険が医師賠償責任保険です。
なかには「自分は訴えられない」と加入していない医師もいますが、私は加入しています。
ちなみに、年間の保険料は(最大補償額によって若干異なりますが)およそ5万円です。
私の場合、医師になってから20年以上経ちますので、ざっと計算して5 X 20 = 100万円は保険料として支払ったことになります。
メモ
節約のポイント:同じプランなら、できるだけ安いプランを選ぶ。
医師賠償責任保険を比較した記事はこちらです。
4.交際費、交遊費
医師の場合、学会、歓迎会、納涼会、忘年会、送別会など、なにかとイベントが多いです。
とくに指導医になったり、ある程度のポジション(部長、副部長など)につくと、見栄を張って後輩や看護師さんにおごるのが一般的ですので、1回の飲み会で4~5万円支払うことが当たり前になっています。
メモ
節約のポイント:見栄を張っておごるのをやめましょう。
ウィズコロナ、アフターコロナ時代の医師の節約術とは?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、収入は減る一方です。
実際に、ネーベンが減り、ボーナスがカットされ、基本給さえも減る可能性もあります。
さらには、勤務する病院が倒産して職を失ってしまうリスクさえあります。
もう、医師といえど、決して「高収入」の職業とは言えない状態です。
このコロナ禍において、資産を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?
今までのようにお金を使っていては、破産してしまいます。
こんな時期だからこそ、今一度、医師にできる節約を考えてみました。
まとめ
医師は収入も多いのですが、医師特有の出費が高額(私の場合、年間およそ100万円)なため、お金が貯まらない原因となっています。
とくに、
- 学会関連(年会費+専門医維持費+学会参加費)
- 医学書(教科書、専門書)代
- 医師賠償責任保険料
- 交際費
が高額で、足を引っ張ってます!!
これらの出費を見直して節約し、短期間での資産形成を目指しましょう!
ドクターP
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