今回は、「研修医におすすめの診療科は何科?」ということで、将来を見据えて研修医がすすむべき診療科を考えてみます。
研修医や若手医師の皆さんの中には「何科になろうか?」と進路に悩んでいる人もいるでしょう。
一生を左右する選択なので、簡単には決められません。
私自身も、医学生の頃に「どの科にするか」とても悩みました。
結果として外科(消化器外科)を選んだのですが、最近では外科を志望する研修医は減っていますね。
確かに外科医は忙しいうえに給料も安く、決してコストパフォーマンスがいい職業とは言えません。
では、将来的にはどの科がいいのでしょうか?
20年以上も医師をやってきた私ことドクターPが、独断と偏見で将来有望な診療科を予想します!
結論から言いますと、
研修医が選択すべき診療科
- 老年科
- 神経内科、精神科、心療内科、脳外科
- 整形外科、リハビリテーション科
- 眼科
- 腫瘍内科、緩和科
以上です!
将来的に需要が増えると考えられる診療科
今後の日本の医療を考える上で、高齢化社会の到来を抜きにしては語ることはできないでしょう。
厚労省によると、65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となり、2042年(20数年後)には3,878万人となってピークを迎え、「超高齢社会」が到来すると予測しています。
このような超高齢社会においては、当然、高齢者(老人)特有の疾患をみる医師の需要が増えます。
以下に、高齢化社会に需要が増える診療科をあげてみます。
1.老年科
老人の疾患(いわゆる老年病)に特化した老年科(geriatrics)は、米国では基本的にすべての大学病院に設置されているとのことですが、日本ではまだ普及していません。
しかし、今後は老年科を設置する病院が増え、引っ張りだこの診療科となることは確実です。
研修医の皆さんには一番に「老年科」をおすすめします。
2.神経内科、精神科、心療内科、脳外科、「もの忘れ外来」
高齢者の増加にともない、「認知症」が増えることが予想されます。
したがって、認知症を診察する診療科(神経内科、精神科、心療内科、脳外科)の需要は増えるでしょう。
最近では、「認知症外来」や「もの忘れ外来」を設置する病院も増えてきました。
認知症の専門医になれば、食いっぱぐれることはないでしょう。
研修医に自信をもっておすすめする診療科です。
3.整形外科(リハビリテーション科)
これも当然といえば当然ですが、高齢者が増えると骨折をはじめとする運動器疾患が増えます。
したがって、整形外科やリハビリテーション科の需要は増える一方でしょう。
今現在でも、リハビリ病院はお年寄りであふれかえっていますから、しばらくは安泰でしょう。
4.眼科
高齢者が増えると、白内障が増えます。
したがって、眼科の需要はますます高まることが予想されます。
つねづね眼科医はQOLや収入が高いことで人気がありますが、今後はますます「引く手あまた」な科になることでしょう。
個人的には、眼科は資産形成を考えたときにはベストの診療科だと思います。
5.腫瘍内科、緩和科
高齢者の増加にともない、癌の患者さんも増加の一途をたどっています。
いまや年間100万人を超える日本人が、がんに罹患すると推定されています。
したがって、がん患者を専門で診療する「腫瘍内科」や、終末期医療を専門とする「緩和科」の需要は増えると予想されます。
欧米に比べ、日本では癌に特化した腫瘍内科医は少ないといわれています。
将来的には狙い目の診療科だと思います。
将来的に需要が減る(なくなる)と考えられる診療科
逆に、将来的に需要が減る(あるいは無くなる)診療科はどこでしょうか?
1.放射線科(読影医)
今後、AIによる画像診断が導入され、放射線読影医が必要なくなります。
一方で、癌患者の増加にともない、放射線治療の需要は増える可能性がありますので、放射線治療医は需要が増えると思われます。
2.外科医
ロボット治療、遠隔手術の普及にともない、外科医が必要なくなる日が来るかもしれません。
将来的には、ロボットを上手に操作できる少数の外科医だけが生き残っていくでしょう。
3.産科・小児科
今後ますます少子化で出産がへり、子供がいなくなります。
相対的に、産科、小児科の需要が減ります。
まとめ
研修医が選択すべき診療科はどこでしょうか?
高齢化社会、人工知能(AI)の医療への介入、働き方改革などの導入を考え、おすすめの診療科は、
- 老年科
- 神経内科、精神科、心療内科、脳外科
- 整形外科、リハビリテーション科
- 眼科
- 腫瘍内科、緩和科
の5つです。
ドクターP
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