今日は、医師が読むビジネス・自己啓発本(その1)として、出口治明氏の「知的生産術」を紹介します。
いそがしい毎日ですが、読書は欠かさないようにしています。
本は、お金もうけの方法だけでなく、豊かに生きるヒントを教えてくれます。
これからの時代、医師も知的生産性を高める必要があります。
そこで、出口治明氏の「知的生産術」を読みました。
結論から言うと、医師としても役立つ重要な気づきが得られました。
以下にその解説をします。
医師が「知的生産術」を読んで学んだこと
知的生産性を高めるためには
立命館アジア太平洋大学(APU)学長である出口氏は、知的生産性を高め、人と違う独自のアイデアを生み出すための5つの視点として、
知的生産性を高める5つの視点
1.無限大ではなく、「無減代(むげんだい)」を考える
2.「なぜ?」を3回繰り返す
3.「枠」や「制約」の中で考える
4.「数字、ファクト、ロジック」で考える
5.考えてもしかたがないことは考えない
の5つをあげています。
それぞれについて解説します。
視点1:無限大ではなく、「無減代(むげんだい)」を考える
「無減代(むげんだい)」とは、仕事をなくす、減らす、代用するということです。
ただ与えられた仕事をこなすだけではなく、「この仕事はなくせないか」、「この仕事は減らせないか」、あるいは「他の資料に代えられないか」という視点をもって仕事をすることで、知的生産術を高めることができるとしています。
つまり、イノベーションは「サボりたい」という気持ちから生まれるということです。
医者の仕事でも、どうでもいい(医者じゃなくてもできる)ことがいっぱいありますよね(たとえば、電子カルテの入力、診断書の作成、レセプト点検、採血、ルート確保など)。このような仕事をいかに「なくす、減らす、代わりを探す」ことを常に意識することが重要だと感じました。
時間は有限です。貴重な時間を生産性の高い仕事にあてたいですよね。
視点2:「なぜ」を3回繰り返す
誰も疑わないことでも、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と腹おちするまで深く考え直しみると、物事を原点からとらえることができるようになるとのことです。
その結果、新しいアイデアが生み出しやすくなるとのことです。
たしかに、医療行為の中にも経験にもとづいた昔ながらの慣習のようなものがあり、疑わずにやり続けているものがありますね。イソジンによる傷の消毒なんかはいい例ですね。
また「医師の働き方はこうあるべき」といった昔ながらのイメージがあり、疑問をもたずに働いている医師が多いですよね。
一度、「なぜ」自分はこんな仕事をしているのか?と疑ってみることも重要かもしれません。
視点3:「枠」や「制約」の中で考える
出口氏によると、「長時間労働が生産性を上げる」というデータはどこにも存在しない。逆に、「長時間労働を続けると、生産性が落ちる」というデータは山のように存在するそうです。
つまり、たくさんの時間を費やして仕事をするより、「上限枠」や「規制」を設けたほうが、時間あたりの知的生産性が高まるということです。
これは他書でもよく言われている「締め切り(〆切り)効果」ですね。
確かにだらだらと仕事するより、「今日中に!」とか「1時間以内に!」といった締め切りを設けるほうが明らかに生産性が高まります。
視点4:「数字、ファクト、ロジック」で考える
これは、「知的生産性を高めるためには、成功体験に頼らないこと」という意味です。
つまり、数字、ファクト、ロジックを踏まえた上で、ゼロベースから新しく発想することが大切ということです。
一度成功したとしても、次また同じようにやって成功する保証はどこにもないのです。
重要なのは、数字(相互に検討可能なデータ)、ファクト(データに関連する事項や過去に起こった事実のこと)、ロジック(数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること)の3つだそうです。
エピソードよりもエビデンスに基づいて考えることが大切だということ。
まさに、医療や仕事にもそのまま当てはまります!
視点5:考えてもしかたないことは考えない
考えて決断できるのであれば徹底して考えるべきだが、考えてもしかたないことは、考えないほうがはるかに合理的であると述べています。
医師も人間です。感情に流され、どうしても「考えてもしかたないこと」を考えてしまうときがありますよね。
でも、「考えてもしかたないこと」を考える時間はムダですね。
反省です。
「知的生産術」内容と目次
最後に、本書の内容と目次を紹介します。
【本書の内容】
サービス産業が主力の現代に必要な働き方とは?
還暦でライフネット生命を創業し、
現在は、スーパーグローバル大学である、
立命館アジア太平洋大学(APU)の学長を務める出口治明氏が語る、
短時間でアイデアと高い成果を出す方法。
●イノベーションは「サボりたい」という気持ちから生まれる
●「枠」や「制約」の中で考える
●時間の感覚を磨きたければ、腕時計は持たないほうがいい
●「楽しい」という感情が生産性を上げる一番の起爆剤
●組織の生産性は人材配置ですべてが決まる
●部下を叱るときの3原則
●無限大ではなく「無減代」で考える
●アウトプットを続けると人の能力は格段に上がる
など、働くすべての人の知的生産性を高めるヒントが満載。
出口氏が言う「知的生産」とは、「自分の頭で考えて、成長すること」。
社会常識や他人の意見を鵜呑みにせず、自分の頭で考え抜くことで、
イノベーションが起こり、成長・成果につながります。
長時間労働から解放され、
短時間で成果を出すヒントとして、
そして何より、楽しく仕事をするためのヒントとして、
ぜひ、本書をお役立てください。
【目次】
第1章 日本人の生産性が低い理由
第2章 新しいアイデアを生み出す「考える技術」
第3章 最小の労力で最大の成果を上げる「インプットとアウトプットの技術」
第4章 チームの力を引き出す「マネジメントの技術」
第5章 明るく楽しい職場をつくる「コミュニケーションの技術」
以上です。
まとめ
以上、出口治明氏の「知的生産術」でした。
知的生産性を高めるため、そして資産形成にとてもためになる本でした。
医師も読むべき本として、おすすめします!
ドクターP
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